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「宇宙友好協会」の終末予言 [予言予知]

ところで20世紀以降、空飛ぶ円盤の存在が認知されるようになると、終末予言を「UFOに乗った神」である宇宙人による救済と結びつける動きも一部で見られるようになった。そして、こうした観念を日本で最初に広めたのが、「宇宙友好協会(略称CBA)」だった。今回は「宇宙友好協会」設立の経緯と、彼らの主張、そして近年の終末予言を取り巻く状況について紹介しよう。


■「宇宙友好協会」誕生の経緯と主張の変遷

「宇宙友好協会」は、航空ジャーナリストの松村雄亮氏が設立した「空飛ぶ円盤グループ」が発展する形で、1957年に発足。そして1959年頃から、松村氏本人が宇宙人とコンタクトしていると主張しはじめ、「近々地軸が傾いて大洪水などの災害が起こるが、あらかじめ定められた時間に定められた場所に行けば、宇宙連合が差し向けたUFOによって救済される」と説くようになる。

 地球の地軸が傾くというポールシフトの正確な日時について、外部に明かされることはなかったが、1960年になって、この宇宙友好協会の主張が「産経新聞」に報道される。もちろん、予言されたポールシフトは今日に至るまで発生していない。

 ポールシフトの一件で社会的な批判を受けることとなった「宇宙友好協会」は、その後、日本国内の古代遺跡を太古の宇宙人来訪と結びつけた「古代宇宙飛行士説」を強力に推進しはじめる。1963年頃からは、アイヌ神話の神「オキクルミカムイ」が宇宙人だったと主張するようになり、1964年には北海道平取町に「ハヨピラのピラミッド」と呼ばれる記念碑も建設した。

■「宇宙友好協会」が与えた影響

 ところで「宇宙友好協会」そのものは、60年代以降表立った活動をしていないが、この団体に所属していた元会員たちは、その後の著作物を通して日本のUFOシーンに少なからぬ影響を残している。たとえば、UFOを呼ぶために何人かで手をつなぎ「ベントラ、ベントラ」という呪文を唱えるやり方は、彼らが始めたものだ。また、「縄文時代の遮光器土偶は古代の宇宙飛行士を象っている」との説を広めたのも、やはり彼らだ。

 そして、彼らの中には「近々地球規模の大災害が起こるが、選ばれた者だけが宇宙人に救済される」とする自称「予言者」たちが今も多数存在し、時期だけを更新しながら、ほとんど同じ内容を繰り返し主張し続けているのだ。


■近年の終末予言と、その実態

 さて、2012年12月21日、「マヤ暦の終わりとともに世界に終わりが訪れる」と主張する「予言者」が大勢現れた。この時、ある者は「未知の惑星ニビルが地球に接近する」と唱え、またある者は「太陽系が『フォトンベルト(光の粒子が集まった帯)』なるものに突入する」とし、ポールシフトが起こるとも予言していた。

 幸い、こうした予言はすべて外れているのだが、それもそのはず。実は、終末予言の文脈で語られる「天変地異」にしろ、「謎の惑星の接近」や「フォトンベルト」にしろ、過去に唱えられた説が現代に時期を合わせて復活しているだけの話なのだ。「フォトンベルト」は、そもそもドイツの作家ポール・オットー・ヘッセが、1949年の著書で提唱した架空のものであり、「謎の惑星の接近」とそれに伴うポールシフトも、エマニュエル・ヴェリコフスキーが1950年に著した『衝突する宇宙』で述べた内容の焼き直しだった。


 いつの時代にも囁かれてきた、「この世の終わりが訪れる」という予言。「宇宙友好協会」の流れをくむ終末予言は、今後どのような展開を見せるのだろう。

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