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やばいおっさん [洒落にならない怖い話2]

今年の夏に実家に帰るため、夜中の高速を運転してた時の話。
お盆が終わってからだったから、Uターンラッシュとは期間がズレててスイスイ行けた。
田舎だからたまに一車線になって対向車もすぐ横を通るような道がたくさんあるんだけど、
そういう道のパーキングエリアはしょぼい。

駐車場と便所と電話ボックスだけの、パーキングエリアと呼んでいいか分かんない小休憩場。
でもだいたい寄るのはいつも同じ所だから恐さとか全く無かった。
その日はその小休憩場に夜12時半頃についたと思う。
駐車場に他の車は無い。

便所に行こうと思ったら、作業服みたいなグレーの服を着た
中年(後ろ姿で判断)の人が電話ボックスで電話をしていた。
でも夜間工事の人かと思い、全く恐さを感じずに便所に入って用を足した。

手を洗おうとした時「ガシン、ガシン」という音がした。
外の方を見ると電話ボックスの中のおっさんが体を左右に揺らし、電話ボックスに体を当てている。
手を洗いながらその姿を「?」と思いながら見ていた。
受話器を持ちながら右へ、左へ、体を揺らすのだ。

その度に電話ボックスの内壁ガラスに体が当たり「ガシン、ガシン」と音を立てている。
自分の車とトイレを直線で結ぶと、その電話ボックスからはまあまあ距離がある。
キチ○イだと嫌だから、早く車に乗ろうと思い、小走りで車に近寄った。

車のキーを開けている時に「ガシャーン!!」というデカイ音がした。
こりゃヤバイ、と思いすぐに車に乗り込み、電話ボックスの方を見ると電話ボックスは何も壊れていない。
しかしおっさんらしき人影がこっちに近づいて来ている!!

急いでエンジンをかけライトを照らすと、何とすでに車の前におっさんがいるではないか!!
もの凄く細い目が異様に離れていて、口の両脇からツバみたいな液を垂らしている。
しかも手に持っているのは、受話器…?

いや、ぐったりとした子猫の死骸だったのだ!!
こりゃヤバイと思い、おもいっきりバックして急発進。
俺は霊を見た事が無いのであれが霊かどうか分からないが、絶対にこの世の者では無いと思った。

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