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サラダオイル [洒落にならない怖い話2]

大学に入学して一人暮らしで自炊を始めたのですが、、
1年経ち、2年も経つころには、すっかり自炊熱も冷めほとんど外食か、ホカホカ弁当になっていました。
大学4年になったころ、また少々自炊するようになり、入学した頃に購入した
四角い1リットルくらいの缶入りサラダオイルが再び日の目をあびることになりました。

フライパンに油をチョット垂らしてみると、いやに茶色い。
「まあ、4年も経てばアブラも酸化するしなあ、まあ、火を通すからOKだよね」
なんて一人で納得して気にもとめず、そのまま使い続けました。
大学も卒業間近になって、ようやくそのサラダオイルも無くなりそうになってきて、
缶を大きく傾けなければ油が出ないようになってきました。

ある日、缶の口から油と一緒につぶ餡の小倉の皮のようなものが2~3枚出てきました。
「ゴミでも入ってたかなあ」などどと軽く考えていたのですが、
次の日もまた次の日もアブラを出すたびにつぶ餡の皮がどんどん出てきます。
不信に思った私は、意を決して、サラダ油の缶の蓋全体を缶きりでキコキコ開けたのです。

その瞬間、目に飛び込んできたものは…百匹はいるであろう大小のゴキブリの大群。
まだ、半分くらいは息がある様子でウヨウヨとうごめいていました。
そう、私が使用していたサラダオイルの缶は4年の間にゴキブリの巣と化していたのです。

そして、つぶ餡の皮はゴキブリの死骸からもげた羽だったのです。
その事実を悟った時、一瞬にして顔面蒼白になったのを感じました。
そして4年間、ゴキブリエキスの入ったサラダオイルを食べ続けたことに改めて気づいた瞬間…

死ぬかと思った。

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後女 [洒落にならない怖い話2]

中1の夏でした。
私の祖母の一番上の兄、泰造さんが亡くなりました。
といっても、私は泰造さんとは殆ど面識がなかったのですが
夏休みということもあり、両親と共にお葬式に出掛ける事になり、
私はそのとき初めて泰造さんの屋敷を訪れたのでした。
そこは某県の山奥、大自然に囲まれた、まさしく田舎といった場所で、
屋敷と呼ぶにふさわしい、古いながらもとても大きな家構えでした。

敷地内には鶏小屋があり、たくさんの鶏が飼育されていました。
泰造さんの娘にあたるおばさんが、売りには出せない小さな卵を
私や親戚の子供達にくれたので、大人達が集まるまでの時間、
私は子供達と一緒にその卵を使って、おままごとなどをして過ごしました。

そのうちお葬式が始まり、私は足の痺れと眠気と闘いながら
あまり面識のない泰造さんの遺影を見つめていました。
そしてお葬式も滞りなく終わり、両親や親戚のおじさんおばさん達は
ビールや寿司を囲みながら、泰造さんの思い出話や子供たちの話、
世間話などで盛り上がり、私もおじさん達にビールを注いだりと愛想をふりまきながら、
やがて田舎の涼しく心地よい風を感じる夕暮れ時となっていました。
ふと尿意を感じた私は席を立ち、ひとり便所へと向かいました。

かなりの田舎ということもあり、便所は少し変わったつくりをしていました。
扉を開くと裸電球の下、まず男用の小便器があり、そこにまた扉があります。
それを開くといわゆる、ぼっとん便所が奥にあるのです。
ですが、電気は始めの個室の裸電球しかなく、私はふたつめの扉をあけたまま、
薄暗いぼっとん便所で用を足すことになりました。


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 05:04:59.82 ID:XD9FtNcW0
田舎の夏の夕暮れの独特な雰囲気と、慣れない木造の便所で少し気味が悪かったのですが、
鼻歌を歌い、気を紛らわしながら用を足し、服を整えて振り返りました。

それはいました。

ひとつめの個室の裸電球の下、白い服を着て、真っ黒な長い髪を無造作に束ねた女のうしろ姿。
私は恐怖で体が痺れたようになり、厭な汗が体中から噴き出しているのを感じました。
どれぐらいの時間でしょう。長いような短いような。女の頭から目を離せずにいた私の耳に
「コォォーーーーー……」
という、かすれた音のような声のようなものが聞こえてきました。
それと同時に私は少しずつ視線を下へとおとしていきました。
私の目に飛び込んできたものは、異様に爪の長いおんなの手の甲…そして足の…指…?

こっちを向いてる……!!

うしろ姿だとおもっていた女は、まぎれもなく正面を向いていました。
髪をすべて前へ下ろし、あごのあたりでひとつに束ねていたのです。
女の顔は全く見えない…見えないけれど見える…見えない…。

「ひぃぃ…ひぃぃ…」私はガタガタ震えながら、泣いていました。
そして女はゆっくりと両手をあげ、髪を束ねている紐に手をかけようとしました…。
そのとき「ガタッ」と扉の開く音と同時に、父の姿が見えました。

グルッ

女が扉のほうへ振り返り、そこで私は気を失いました。


102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 05:06:10.92 ID:XD9FtNcW0
目を覚ますと、私は布団に寝かされていました。両親が心配そうに私の顔を覗き込んでいました。
「変な女がおったんよ!!怖かった…怖かった…。」
また泣きそうになる私を見て、二人はうんうんと頷いていました。父はあの女の姿を見てはいないようでした。

少し落ち着きを取り戻した私に、おばさんが一冊の古びた冊子を持ってきました。
それは亡くなった泰造さんの覚え書きのようなものでした。
そのうちの黄ばんだ1ページに墨で描かれていた絵は、私が便所で見た女そのものでした。
「うちのお父さんな、こんなおそろしいもん、よう見とったみたいなんよ。

この覚え書きはお父さんが死んでしもてから見つけたんやけど、なんやいつもえらい怯えとったんやわ。
それやのに全然気付いてあげれんかった…。」
そう言っておばさんは涙ぐんでいました。

その覚え書きを見せてもらうと、泰造さんはあの女のことを後女(うしろ女?)と呼んでいたようでした。
鶏の飼育についてや森での狩りなどの覚え書きの合間合間に、後女について記してありました。
今となってはあまり覚えていませんが、最後のページにはこう書いてあったと思います。

「後女の真の面、真の背、目にしたとき我は死すか」

私は後女が振り返ったあのとき、女の後頭部を見たような気もするし、見なかったような気もします。

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画鋲 [洒落にならない怖い話2]

私、幼稚園の頃に画鋲を飲まされそうになった経験があります。
当時、私のいたサクラ組では「嘘はつかない」という簡単な法律があり、
毎朝のHR?では「うーそついたら、針千本のーます♪」って歌っていました。

そんなある日、教育番組「ノッポさんのできるかな?」を見ながら牛乳パックで
動物を作る授業をすることが決まりました。
私はその手の授業が好きだったので、とても楽しみにしておりました。

保母「皆さーん、明日は牛乳パックを使って動物さんを作りますー。
忘れずにお家から牛乳パックを持ってきてくださいねー」
一同「はーい」

うきうきと帰宅し母にその話をすると、 「牛乳パックは開けたばかりだから駄目、
丁度豆乳のパックが開いたからコレにしなさい、同じものだから大丈夫。」
とのこと、次の日、私はそれを持って幼稚園に行きました。

そして授業、しかし、よくよく考えれば豆乳のパックは形状も紙の厚さも牛乳パックとは違います。
TVのノッポさんも豆乳パックでのキリンや象の作り方は教えてくれません。
困ってる俺を見た保母は、「A君!これ牛乳のパックじゃないでしょ!
昨日皆で約束したのになんで違うものを持ってくるんですか!」と私を叱りました。
私が答えられずにいると、保母は不意に自分の机に行き、何かを持ってきました。
それは、画鋲のケースでした。


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 02:50:03.11 ID:XD9FtNcW0
保母は半分あきれの薄笑いで私をにらみ、皆に告げました。
「みなさーん、今日A君は嘘をつきましたー。
牛乳パックを持ってくる約束をしたのに違う物を持ってきましたー。」
「嘘をつくとどうなりますかー? 針千本ですねー?」
とんでもないことになった・・、

言葉も出ない私に、保母は画鋲のケースを突きつけ、「約束です。千個飲みなさい。」 出来ない私。
「じゃあ千個はかわいそうだから、A君のために先生我慢しますー百個でいいです」 泣き出す私。
保母はまだ許しません。無理矢理私に画鋲を一個持たせました。
私は画鋲を口に中にいれ飲み込むフリをしておけばごまかせると考えました。

口に入れて奥歯で画鋲を噛んだまま、ごっくんのモーションをすれば、
きっと保母さんは飲み込んだと思うはず。これで切り抜けよう 。そして、それを実行しました。
保母の冷血な態度は豹変し、びんたが飛んできました。

私は吹っ飛び、口の中から飛び出した画鋲と机の上の画鋲ケースが教室に散らばりました。
保母は少々あせってましたが、すぐに冷血モードで私をにらみつけ、画鋲を一個拾い私に鼻先に突き付け、
「いい?コレは一個でも飲んだら死んじゃうお薬なの!死んじゃうのよ!!」
「皆さんもわかりましたね!嘘をついたらA君みたいになります。絶対に嘘は駄目なんです!!」
授業は中断、私は一人で床の画鋲を拾わされました。泣きながら。
周りの園児も楽しい工作の時間をつぶされ、冷ややかな態度で私を見ていました。

保母は私の拾い集めた画鋲を、どれが口に入ったかわからないからという理由で捨てました。
今になって考えると、あの保母はサドだと思う。私が口に入れた瞬間に我に返ったのかな。
余分な情景もあるかと思いますが勘弁、いまでも余すところ無くトラウマです。

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