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呪いの柿 [洒落にならない怖い話13]

俺が小学校5年の秋
郊外にある従兄弟の家(農家)に一家で遊びに行った
従兄弟が、うちの柿の木に“呪いの柿”がなっているんだ、と言いだした
“呪いの柿”とは何だと問うと
従兄弟の庭の柿の木の枝が1階の屋根の端まで伸びていて、大きな実がかたまってなっている
その実が“呪いの柿”なんだそうだ

1週間ほど前、従兄弟が屋根に出てその柿の実をもいで食おうとしたら、
運動神経の良い従兄弟にもかかわらず、屋根から転落してしまった
幸い、下の地面が柔らかく大事なかったが、
次の日に従兄弟の弟が全く同じ理由で転落したそうだ

その後も従兄弟の友人ら3人までが次々とその柿に手を伸ばしたところで転落したそうだ
おかげで“呪いの柿”はもがれる事なく今日まで枝にぶら下がっている

俺も見たけど本当に屋根の端からちょっと手を伸ばせば簡単に取れそうな位置にある
俺と弟は日頃から高い所に登ったり、
塀の上で遊んだりしていてバランス感覚には自信があった
さっそく弟が取ってやる、と言って窓から屋根に乗り出し“呪いの柿”に簡単に手を伸ばした
しかし次の瞬間、まったく突然に転落してしまった

俺はこのときピンときた!
その後俺が“呪いの柿”に近づき、そして枝をつかんで横の方に引っ張ってみると
もとの位置からは全く死角になっていた実の裏側にシナンタロ(いら蛾の幼虫)が二匹ついていた
こいつに刺されると電撃的な痛みに襲われ、ショックで弾かれたようになるのだ

“呪いの柿”に近づいた者がことごとく転落したのはこれが原因であった
言うまでもなく一度シナンタロに刺された従兄弟はそれがわかっていたが、知っていながら俺達に
“呪いの柿”取りに行かせたのだ
従兄弟の友人3人も同じように従兄弟にだまされたに違いない
洒落にならん従兄弟である

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恐怖のスーパーマーケット [洒落にならない怖い話13]

14年前、六甲のとある住宅地で起きた事件。

当時出来たばかりの大型スーパージャスコ。
夕方は買い物客の主婦たちや、横の公園から
ジャスコの駐車場まで入り込んで遊んでいる子供たちで賑やかな様子。
俺と友達グループも駐車場の段差の縁に腰掛けて、
カードを交換する遊びに夢中になっていた。

すると外の道から駐車場に入る入り口付近から、
「ギャーーー!!!ギャッッ!!ギャッ!!!ギャーーーー!!!」
というものすごい叫びが聞こえてきた。子供ながらに瞬時に「事故か!!」と皆で振り向くも、
「ギャギャッ!!!ヒャーーー!!!!」「ワッ!!ワッ!!!」
「ヒャーー!!!キャーー!!!」
と異常な悲鳴が伝播していく様子に、俺たちも他の客も一瞬凍り付く。

近くにいた警備員が周りに向かって「だめ!!はなれて!!はなれて!!!」と
大声で呼びかける。店員が何人かでてきて、ある者は立ちすくみ、
若い女性店員やパートのおばさんは悲鳴の渦に加わる様に叫び始める。
近寄っていいのか、逃げた方がいいのか、判断が付く前に何人もの店員や
居合わせた男性に「ここから出なさい!!家に帰って!早く!!」と怒鳴られ、
俺たちはカードをこぼしこぼししつつ、起こっている出来事じゃなく、
生まれて初めて見る大人が心底怯える様子に恐怖し、その場から逃げ出した。

後半へ



896:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 15:27:14 ID:1wIAWdv90
当時テレビでも取り上げられてた記憶があるんだが、
近所に住む老女が、数ヶ月前に夫に病死されたのだが、
どうしていいのか判断が付かなかったらしく、 やがて遺体が痛み、
首と胴体が離れたのをきっかけに「死亡届けを医者に書いてもらおうと思った」と

近所のスーパーマーケットの駐車場で山一つ向こうの総合病院まで
乗せていってくれる人はいないかと相談に訪れたのだった。
老婆は小さな肩掛け鞄の中に失効した夫の免許証と現金千円(後に線香代と話す)、
そして空いた両手で胴体から自然脱落した夫の頭部を抱えて駐車場へと入り、
「どなたか病院へお願いできませんか」と周囲へ声をかけたのだった。

なお彼女の自宅は電話とガスが停められた状態で、
彼女自身知人もなく生活保護のみに細々と頼り、
弱りに弱ったすえでの行動だったのであろう。

未だに俺は実家に帰ると、あの駐車場を通りかかると、胸に慄然とした恐怖を覚える。
直接見たわけではない出来事。その事よりも、
大人たちが恐怖に叫び続けるあの夏の夕方の赤い湿った時間が、
今でも胸にこびりついている

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深夜のジョギング [洒落にならない怖い話13]

ジョギングを始めたんだ。

まぁ、メタボ対策かな。少し太ってきたし
そんなにストイックな奴じゃなくて軽~い奴。
近所を1周して終わり程度なんだけどね。

近くに公園があるんだよね。ブランコのある公園。
公衆トイレがあって薄明かりが漏れてる。
いつも公園を横目に走るんだけどね。

トイレの正面にはベンチがある。
ベンチの背面は土手になっている。

いつもはベンチとトイレの間を走り抜ける訳なんだけどね。

いつも走るのは少し遅い時間なんだよね。
もちろん公園にはいつも誰もいない。



831:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:03:48 ID:BgSIr4Av0
おとといだね。

小雨が降ってたと思う。
走っていたのは深夜だったから、多分1時頃かな。

公園の入り口に差し掛かったら、いつも誰もいないベンチに
女の人が座ってた。グレーのコート?を着てね。
ギョッとした。びっくりして咄嗟に回れ右して公園の外を迂回して走りだした。

走りながら考えてね。こんな時間に公園にいるなんてね。
しかもグレーのコートなんて若い女だよね。
行くトコないのかな?とか、彼氏と喧嘩したのかなとかね。
オレんちは駅まで遠いんだよ。

少しかわいそうに思ってね。もちろん下心もそれなりに合ったし。
帰りにまだ居たら声かけようかなって思ったんだよ。



832:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:08:16 ID:/f1dR9la0
しばらく走って公園に戻って来たらさ。

まだ座ってたんだ。やっぱり若そうな女の人だね。

なんか下向いてた。グレーのコート着ているしさ
なんか雨も降ってるし。

「大丈夫ですか?こんな時間に危ないですよ」とか声だけ掛けようと思ってね。
ドキドキしながら近づいていったんだよね。

公園の入り口を入ってね。ベンチに近づいて、脅かさないように
できるだけ足音を立てながらね。近づいて言ったんだ。

とにかく驚かさないようにね。「こんな時間に大丈夫ですか?」って声掛けようと思ってね。
ふと足が止まった。



835:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:17:27 ID:/f1dR9la0
何故足が止まったかはわからない。
とにかくヤバいと思った。

なんかね。この人薄いんだよ。うっすらと向こう側に透けるような感じ
いや、上手くいえないけどね。分子の密度が薄いって言えばわかるかな?
雰囲気全体が薄くてね。
瞬間的に「あぁ、この人死んでるな」って冷静に感じた。
「ヒトニシテハ、ナニカガタリナイ」
心臓がドクンって鳴った。鷲掴みにされた感じ。

女が顔を上げる瞬間に逃げした。

もう全力で家まで走った。必死で走ったんだよ。
振り返ったら怖くて動けなくなると思ってね。
死ぬ気で走ったんだ。何とか家まで辿り着いてね。慌てて鍵を閉めたよ。



837:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:21:26 ID:/f1dR9la0
でもね、予感があったんだ

「キットツイテクルヨ」

「見えるの?ねぇ見えるの?」って女の声が聞こえてたし。

やっぱりね。
部屋に戻ったらカーテンの細い隙間からこっちを見ていたよ。

ジーっとこっちをみてた。

あ~ぁ。ついて来ちゃったよ・・・何で冷静なんだろうね。こんな時にね。
とにかく気付いてないフリをしてたんだけどね。



840:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:24:47 ID:/f1dR9la0
少しずつね

部屋の空気が侵食されていってね。

ほんの少しずつだけどね。
薄~いもやが掛かって来てね。
あぁ、少しずつ入って来てるなってのが解かった。

密度を薄くしてね。
徐々に女が部屋の中に流れ込んできた。

もうね、怖くて叫びださないようにね。
気付かれたらヤバイからね。
全然気が付かないフリしてね。でもジーっと見られてるのね。
すごく観察してるの。こっちをね。



845:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:29:42 ID:/f1dR9la0
無理に寝てしまおうと思ったんだよ。

怖いけどね。眠って明日になったら居ないかもしれないじゃん?
だからね。すぐに横になった。

とにかくベットに横になってね。寝ちまえ!と。
部屋中に嫌な雰囲気が漂っててね。相変わらず凝視されたままなんだけどね。

直ぐに目を閉じればよかったんだけどね。

天井に小さな点を見つけちゃったんだ。
小さな黒い点なんだけどね。
動くんだよ。少しずつ少しずつ。

頭の中では「見ろ!見ろ!」って女の金切り声が鳴ってるんだ。



847:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:34:54 ID:/f1dR9la0
動き出した点がね、少しずつ早くなってね。
デッサンってあるじゃない?あのキャンバスに黒炭で絵を書く奴
あんな感じでね。凄い勢いで点が形になって来てね。
目になって、鼻になってね、どんどん描かれてね。
早送りを見ているみたいにね。

だんだん鬼のような形相の女になってきた。

目をそらせないで、じっと見るしかなかった。

天井に描かれた女がね、こっちを睨み付けたままね

少しずつ降りて来ている気がした。
ゆっくりとね、近づいて来てる、そう思った瞬間怖くて気が狂うかと思った。



851:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:39:48 ID:/f1dR9la0
恐怖で声も出せずにね、確か泣いた気がする。

だんだん世界が白黒になってね。
ゆがんで回りだしたんだ。

もうダメだと思った瞬間にね、大きく視界が歪んでね。
気付いたら今日の昼だったよ。

本当に今日は家から出られなかった。夢なのか、それにしてはリアルだったし。
何もかも自信が無かったんだ。
さっきあるものでご飯食べて、お風呂にも入ってね。
やっと落ち着いてここに書き込めるようになったよ。

さて、そろそろジョギングに行ってきますね。
話したらなんだかとっても楽になったよ。
付き合ってくれてありがとうね。

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