深夜のジョギング [洒落にならない怖い話13]
ジョギングを始めたんだ。
まぁ、メタボ対策かな。少し太ってきたし
そんなにストイックな奴じゃなくて軽~い奴。
近所を1周して終わり程度なんだけどね。
近くに公園があるんだよね。ブランコのある公園。
公衆トイレがあって薄明かりが漏れてる。
いつも公園を横目に走るんだけどね。
トイレの正面にはベンチがある。
ベンチの背面は土手になっている。
いつもはベンチとトイレの間を走り抜ける訳なんだけどね。
いつも走るのは少し遅い時間なんだよね。
もちろん公園にはいつも誰もいない。
831:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:03:48 ID:BgSIr4Av0
おとといだね。
小雨が降ってたと思う。
走っていたのは深夜だったから、多分1時頃かな。
公園の入り口に差し掛かったら、いつも誰もいないベンチに
女の人が座ってた。グレーのコート?を着てね。
ギョッとした。びっくりして咄嗟に回れ右して公園の外を迂回して走りだした。
走りながら考えてね。こんな時間に公園にいるなんてね。
しかもグレーのコートなんて若い女だよね。
行くトコないのかな?とか、彼氏と喧嘩したのかなとかね。
オレんちは駅まで遠いんだよ。
少しかわいそうに思ってね。もちろん下心もそれなりに合ったし。
帰りにまだ居たら声かけようかなって思ったんだよ。
832:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:08:16 ID:/f1dR9la0
しばらく走って公園に戻って来たらさ。
まだ座ってたんだ。やっぱり若そうな女の人だね。
なんか下向いてた。グレーのコート着ているしさ
なんか雨も降ってるし。
「大丈夫ですか?こんな時間に危ないですよ」とか声だけ掛けようと思ってね。
ドキドキしながら近づいていったんだよね。
公園の入り口を入ってね。ベンチに近づいて、脅かさないように
できるだけ足音を立てながらね。近づいて言ったんだ。
とにかく驚かさないようにね。「こんな時間に大丈夫ですか?」って声掛けようと思ってね。
ふと足が止まった。
835:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:17:27 ID:/f1dR9la0
何故足が止まったかはわからない。
とにかくヤバいと思った。
なんかね。この人薄いんだよ。うっすらと向こう側に透けるような感じ
いや、上手くいえないけどね。分子の密度が薄いって言えばわかるかな?
雰囲気全体が薄くてね。
瞬間的に「あぁ、この人死んでるな」って冷静に感じた。
「ヒトニシテハ、ナニカガタリナイ」
心臓がドクンって鳴った。鷲掴みにされた感じ。
女が顔を上げる瞬間に逃げした。
もう全力で家まで走った。必死で走ったんだよ。
振り返ったら怖くて動けなくなると思ってね。
死ぬ気で走ったんだ。何とか家まで辿り着いてね。慌てて鍵を閉めたよ。
837:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:21:26 ID:/f1dR9la0
でもね、予感があったんだ
「キットツイテクルヨ」
「見えるの?ねぇ見えるの?」って女の声が聞こえてたし。
やっぱりね。
部屋に戻ったらカーテンの細い隙間からこっちを見ていたよ。
ジーっとこっちをみてた。
あ~ぁ。ついて来ちゃったよ・・・何で冷静なんだろうね。こんな時にね。
とにかく気付いてないフリをしてたんだけどね。
840:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:24:47 ID:/f1dR9la0
少しずつね
部屋の空気が侵食されていってね。
ほんの少しずつだけどね。
薄~いもやが掛かって来てね。
あぁ、少しずつ入って来てるなってのが解かった。
密度を薄くしてね。
徐々に女が部屋の中に流れ込んできた。
もうね、怖くて叫びださないようにね。
気付かれたらヤバイからね。
全然気が付かないフリしてね。でもジーっと見られてるのね。
すごく観察してるの。こっちをね。
845:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:29:42 ID:/f1dR9la0
無理に寝てしまおうと思ったんだよ。
怖いけどね。眠って明日になったら居ないかもしれないじゃん?
だからね。すぐに横になった。
とにかくベットに横になってね。寝ちまえ!と。
部屋中に嫌な雰囲気が漂っててね。相変わらず凝視されたままなんだけどね。
直ぐに目を閉じればよかったんだけどね。
天井に小さな点を見つけちゃったんだ。
小さな黒い点なんだけどね。
動くんだよ。少しずつ少しずつ。
頭の中では「見ろ!見ろ!」って女の金切り声が鳴ってるんだ。
847:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:34:54 ID:/f1dR9la0
動き出した点がね、少しずつ早くなってね。
デッサンってあるじゃない?あのキャンバスに黒炭で絵を書く奴
あんな感じでね。凄い勢いで点が形になって来てね。
目になって、鼻になってね、どんどん描かれてね。
早送りを見ているみたいにね。
だんだん鬼のような形相の女になってきた。
目をそらせないで、じっと見るしかなかった。
天井に描かれた女がね、こっちを睨み付けたままね
少しずつ降りて来ている気がした。
ゆっくりとね、近づいて来てる、そう思った瞬間怖くて気が狂うかと思った。
851:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:39:48 ID:/f1dR9la0
恐怖で声も出せずにね、確か泣いた気がする。
だんだん世界が白黒になってね。
ゆがんで回りだしたんだ。
もうダメだと思った瞬間にね、大きく視界が歪んでね。
気付いたら今日の昼だったよ。
本当に今日は家から出られなかった。夢なのか、それにしてはリアルだったし。
何もかも自信が無かったんだ。
さっきあるものでご飯食べて、お風呂にも入ってね。
やっと落ち着いてここに書き込めるようになったよ。
さて、そろそろジョギングに行ってきますね。
話したらなんだかとっても楽になったよ。
付き合ってくれてありがとうね。
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まぁ、メタボ対策かな。少し太ってきたし
そんなにストイックな奴じゃなくて軽~い奴。
近所を1周して終わり程度なんだけどね。
近くに公園があるんだよね。ブランコのある公園。
公衆トイレがあって薄明かりが漏れてる。
いつも公園を横目に走るんだけどね。
トイレの正面にはベンチがある。
ベンチの背面は土手になっている。
いつもはベンチとトイレの間を走り抜ける訳なんだけどね。
いつも走るのは少し遅い時間なんだよね。
もちろん公園にはいつも誰もいない。
831:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:03:48 ID:BgSIr4Av0
おとといだね。
小雨が降ってたと思う。
走っていたのは深夜だったから、多分1時頃かな。
公園の入り口に差し掛かったら、いつも誰もいないベンチに
女の人が座ってた。グレーのコート?を着てね。
ギョッとした。びっくりして咄嗟に回れ右して公園の外を迂回して走りだした。
走りながら考えてね。こんな時間に公園にいるなんてね。
しかもグレーのコートなんて若い女だよね。
行くトコないのかな?とか、彼氏と喧嘩したのかなとかね。
オレんちは駅まで遠いんだよ。
少しかわいそうに思ってね。もちろん下心もそれなりに合ったし。
帰りにまだ居たら声かけようかなって思ったんだよ。
832:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:08:16 ID:/f1dR9la0
しばらく走って公園に戻って来たらさ。
まだ座ってたんだ。やっぱり若そうな女の人だね。
なんか下向いてた。グレーのコート着ているしさ
なんか雨も降ってるし。
「大丈夫ですか?こんな時間に危ないですよ」とか声だけ掛けようと思ってね。
ドキドキしながら近づいていったんだよね。
公園の入り口を入ってね。ベンチに近づいて、脅かさないように
できるだけ足音を立てながらね。近づいて言ったんだ。
とにかく驚かさないようにね。「こんな時間に大丈夫ですか?」って声掛けようと思ってね。
ふと足が止まった。
835:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:17:27 ID:/f1dR9la0
何故足が止まったかはわからない。
とにかくヤバいと思った。
なんかね。この人薄いんだよ。うっすらと向こう側に透けるような感じ
いや、上手くいえないけどね。分子の密度が薄いって言えばわかるかな?
雰囲気全体が薄くてね。
瞬間的に「あぁ、この人死んでるな」って冷静に感じた。
「ヒトニシテハ、ナニカガタリナイ」
心臓がドクンって鳴った。鷲掴みにされた感じ。
女が顔を上げる瞬間に逃げした。
もう全力で家まで走った。必死で走ったんだよ。
振り返ったら怖くて動けなくなると思ってね。
死ぬ気で走ったんだ。何とか家まで辿り着いてね。慌てて鍵を閉めたよ。
837:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:21:26 ID:/f1dR9la0
でもね、予感があったんだ
「キットツイテクルヨ」
「見えるの?ねぇ見えるの?」って女の声が聞こえてたし。
やっぱりね。
部屋に戻ったらカーテンの細い隙間からこっちを見ていたよ。
ジーっとこっちをみてた。
あ~ぁ。ついて来ちゃったよ・・・何で冷静なんだろうね。こんな時にね。
とにかく気付いてないフリをしてたんだけどね。
840:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:24:47 ID:/f1dR9la0
少しずつね
部屋の空気が侵食されていってね。
ほんの少しずつだけどね。
薄~いもやが掛かって来てね。
あぁ、少しずつ入って来てるなってのが解かった。
密度を薄くしてね。
徐々に女が部屋の中に流れ込んできた。
もうね、怖くて叫びださないようにね。
気付かれたらヤバイからね。
全然気が付かないフリしてね。でもジーっと見られてるのね。
すごく観察してるの。こっちをね。
845:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:29:42 ID:/f1dR9la0
無理に寝てしまおうと思ったんだよ。
怖いけどね。眠って明日になったら居ないかもしれないじゃん?
だからね。すぐに横になった。
とにかくベットに横になってね。寝ちまえ!と。
部屋中に嫌な雰囲気が漂っててね。相変わらず凝視されたままなんだけどね。
直ぐに目を閉じればよかったんだけどね。
天井に小さな点を見つけちゃったんだ。
小さな黒い点なんだけどね。
動くんだよ。少しずつ少しずつ。
頭の中では「見ろ!見ろ!」って女の金切り声が鳴ってるんだ。
847:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:34:54 ID:/f1dR9la0
動き出した点がね、少しずつ早くなってね。
デッサンってあるじゃない?あのキャンバスに黒炭で絵を書く奴
あんな感じでね。凄い勢いで点が形になって来てね。
目になって、鼻になってね、どんどん描かれてね。
早送りを見ているみたいにね。
だんだん鬼のような形相の女になってきた。
目をそらせないで、じっと見るしかなかった。
天井に描かれた女がね、こっちを睨み付けたままね
少しずつ降りて来ている気がした。
ゆっくりとね、近づいて来てる、そう思った瞬間怖くて気が狂うかと思った。
851:本当にあった怖い名無し:2009/06/01(月) 00:39:48 ID:/f1dR9la0
恐怖で声も出せずにね、確か泣いた気がする。
だんだん世界が白黒になってね。
ゆがんで回りだしたんだ。
もうダメだと思った瞬間にね、大きく視界が歪んでね。
気付いたら今日の昼だったよ。
本当に今日は家から出られなかった。夢なのか、それにしてはリアルだったし。
何もかも自信が無かったんだ。
さっきあるものでご飯食べて、お風呂にも入ってね。
やっと落ち着いてここに書き込めるようになったよ。
さて、そろそろジョギングに行ってきますね。
話したらなんだかとっても楽になったよ。
付き合ってくれてありがとうね。
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