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ドーモさん [洒落にならない怖い話29]

僕の高校時代の話です。
僕の通っていた高校には、師匠シリーズに出てくる師匠みたいな人が居ました。
僕はその人をドーモさんと呼び、オカルト道の師と仰いでいました。
僕ら(僕と仲の良いDQN達)は、ドーモさんとオカルト系の事をやりまくっていた。
たくさんオカルト話はあるんですけど、今回は廃病院、いわゆる心霊スポットに行った時の話を書きます。

確か高二くらいの時だったと思います。
僕は、DQNどもに廃病院の話(当時流行ってた)を聞き、当然の様にドーモさんをそこに誘った。
いつもなら満面の笑みを浮かべ了承するドーモさんが今回は、「嫌だ!」とめんどくさそうに断りました。
「あそこはやばい」とか「めんどくさい事になる」など言って、首を縦に振らないのです。
それでも僕がしつこく誘うと、「やばくなったら一人で逃げるから」と渋々OKをもらいました。
ドーモさんにここまで言わすとはどんな所やねん!?と僕は、恐怖半分、好奇心半分な複雑な気分でした。
しかし、ドーモさんが居るのならなんとかなる!ドーモさんが居るから今まで僕は心霊スポットに行けたわけで、ドーモさんに対する僕の信頼度はかなりのものでした。



694:きゅう:2006/04/26(水) 21:29:42 ID:82TI8tvMO
それでOKをもらった僕は、仲の良いDQN二人(いつものメンバー)に声をかけました。二人もドーモさんがくるならと、二つ返事でした。

その日、学校が終わり、まだ明るかったので、ゲーセンで時間をつぶし、ゲームに夢中になってる内に、暗くなっており、廃病院に着いたのは、すでに九時をまわった頃でした。
DQN二人が先陣をきり、さきさき中に入っていく中、ドーモさんはキョロキョロしながら最後尾でした。
僕は、そんなドーモさん(いつもなら先頭)を初めて見たので、マジでやばくね?とか思いつつ、DQN二人と冗談を交わしつつ中を徘徊しました。
しばらく徘徊(探険?)していましたが、特に何も起こらず、あれ?と思いながら、最後の霊暗室に着きました。
ここを見おわったら帰ろうみたいな話をしていたので、ここが最後です。
霊暗室に入った瞬間、僕ら三人は固まりました。
動けないとゆーより、動きにくいと言ったほうが正確ですね。
しかし、今まで黙ってたドーモさんは、霊暗室に入るやいなや、テンションMAXな感じで中を物色しまくってました。
僕は背後に気配を感じ、ゆっくりと振り返りました。



695:きゅう:2006/04/26(水) 21:30:44 ID:82TI8tvMO
人が立ってたとかゆーレベルじゃありません、何十人の人の顔(表情?)のない人達が、僕らを睨んでます。
表情もないのに、なぜか睨んでる(怒ってる)とゆーのがわかります。
ドーモさんはそんな事には興味がない(見えてないハズがない)ように、物色を続け、やがてカバンからインスタントカメラを取り出して、そこら辺を撮りまくりだしました。
僕は、半泣きになりながら、「ドーモさん、やばいよ!ここ、やばいよ!」と、自分から誘っておきながらですが、帰ろうコールを送りました。
するとドーモさんは、「意識すんな!下手したら帰られへん事になんで!」と、相変わらず焦る事もなく、僕らの後ろとかを撮りまくってます。
僕やDQN二人は半泣きになりながらも、ドーモさんを見てるしかなかったのです。
そして、「帰るで!」と、いきなりドーモさんが言いました。すると金縛り状態がいきなり解け、僕らは走って廃病院を出ました。
その時も、ドーモさんは最後尾でキョロキョロしてた。(僕が走ってる時、振り返った。)
廃病院の前でタバコをふかしながら(生意気にも)、僕らは地面に腰をおろした。心の底から安心していた。



696:きゅう:2006/04/26(水) 21:31:35 ID:82TI8tvMO
それで、何日かして恐怖感も薄れてきた僕は、ドーモさんにあの時撮った写真の事を聞いた。
ドーモさんは、笑いながら「何も写ってなかったよって」言った。
僕が、そんなはずないやろ!とつめよると、「俺がまったく意識してないねんから、当たり前やろ!」とまた笑った。
まったく意識してない?見えてるのに?不可能だろ?とか思いながら考えこんでいると、「でも一枚だけおもしろい物が撮れた。」と、一枚の写真をカバンから取り出した。
その写真は、僕ら三人が笑いながら(変顔)で写っている物だった。
確かにおもしろい程に変顔だ。オカルトには関係ないが。
僕が少し怒りながら、確かにおもしろい顔やね!と言うと、ドーモさんは、「おまえら笑ってたっけ?」と少しにやけながら言った。

ドーモさんが写真を撮ったのは霊暗室だけ。僕らは霊暗室に入った瞬間固まって、半泣きだった…。
どゆこと?
僕は少しぱにくりながら、他のも見せて!と言うと、ドーモさんは、「あぁ、燃やした。」と即答しました。
僕が、何も写ってなかったのに?と言うと、「俺は意識しなかったからな、でもおまえらが見ると大変なことになる。」と笑いました。



697:きゅう:2006/04/26(水) 21:32:28 ID:82TI8tvMO
「写真ってのは、人によって見え方が違う。もちろん心霊写真に限らずな。あと、あれでやばいと思ったなら、もう心霊スポットとかには行かない方がいいよ」と付け加えました。

後日談ですが、あの廃病院は、土地をヤクザが買い取っていて、そこら中にカメラが設置されてるとゆー事が後でわかりました。
(バレたら、大金を請求されるらしい。)
ドーモさんは、その事をやばいと言っていたらしい。

僕は、改めてドーモさんを尊敬になった。(オカルト系で)



699:本当にあった怖い名無し:2006/04/26(水) 21:42:16 ID:vgt6Bhzl0
続き
居間を後にした俺は一人寂しく部屋に篭り、精神に変調を来たしてしまったに違いない母と弟の行く末を思いました。
鬱状態のまま夕食の時間を迎え、俺は気まずい心情で飯を食いまた部屋に篭りました。
部屋に篭ってみたものの、いつもは弟と笑って見ているバラエティー番組も
母につきあって仕方なく見ていたドラマも、一つも楽しくありません。
家に居るのも哀しくなり、俺は近所のレンタルビデオショップに行きました。
暫くそこで時間を潰しましたが、結局何も借りる気がせず入り口横の自販機でお茶だけ買ってその場を後にしました。
家に帰るまでの道がかなり長く感じられました。それでも暫く歩くと我が家の明りが見えてきます。
家族はあんなに壊れてしまったのに、こうやって外から眺めるといつもと何ら変わらない明りを灯していて、
母と弟の言動が脳裏に蘇り俺はなんだか泣きたくなりました。
最初の方で書いた通り、我が家の庭からは細い道路が伸びています。俺はそこを歩いていた訳ですが、
そこまで来ると部屋の明りで暗い外からはカーテン越しの家具のシルエットとかが見えたりします。
弟は部屋に戻っているようで、俺の部屋からは薄黒い人型のシルエットが見えました。
もう少し歩くと部屋の影はさらに濃く見え、弟はどうやら着替えをしているようで上着を着るような動作をしています。
俺は下を向いて歩きました。弟を見たくなかったからです。街灯に照らされた足元ばかりを見て歩いて、
細い道から庭に入りました。足取りが重くなってきます。窓を見上げると、弟はまだもたもたと服を着ていました。
居間からはテレビの音声と笑い声。母と父、弟が笑っています。
そこで俺はやっと異変に気付きました。俺に弟は2人いません。
つまり居間に家族が集まっている今、俺の部屋には誰もいない事になるのです。
窓を見上げました。それはまだシルエットだけで服を着ています。いや、服を着るような動作を続けています。
家の中には確かに何かが居たのです。俺は玄関に飛び込みました。
最後に見上げた窓の中ではまだそいつが腕をぶらぶらさせていました。



702:本当にあった怖い名無し:2006/04/26(水) 21:50:35 ID:vgt6Bhzl0
思ったよりかなり長くなってしまいました。
流れをぶった切るようになってしまってすいません。
俺はそのあと弟に付いてきてもらって、部屋を確認しに行きました。
部屋の中では勿論誰も服を着ていたりはしませんでした。
その日は何事も無く眠れました。と言っても俺は死ぬほどガクブルしていてろくに眠れはしなかったのですが。
そしてつい先日の話です。こんどは母の部屋に来たそうです。
と言っても金縛りにあったとかそう言うのではなく鏡に映ったと言うのです。
俺には良く分からないしはっきりと見えもしないのですが、そいつは確実に我が家に今もいます。
何よりも一番不思議なのはあの服(上着)を着る時のような動作です。
腕をぶらぶらさせながら肩を揺らすあの動作は思い出しただけで今でもぞっとします。




704:本当にあった怖い名無し:2006/04/26(水) 22:01:50 ID:i22oyNKp0
>>702
久々にじんわりと嫌な気分になる話だな、乙

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