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血濡れの機械 [洒落にならない怖い話23]

今父から聞いたばかりの話。

もう40年位は前の話。
金属加工の会社に勤務していた父が朝出社すると、同僚が慌てた様子で駆け寄って来た。
どうかしたのかと父が聞くと、作業場で死人が出たと言う。
何でも、大きい金属板を切断・加工する機械に頭を突っ込み、金属板の代わりに首を
切られたらしい。

既に警察が到着していたので父が作業場を見る事は出来なかったそうだが、同僚によると
首無し死体が仕事を続けているかのように両手を機械に当てた状態で突っ立ち、飛ばされた
首は加工部の旋盤上に乗って作業で出た金属の粉で真っ白になり
ながらごろごろごろごろ回り続けている。

床は血の海。機械の表面も血塗れで、真っ赤に染まった機械はそれでも動きを止めて
いなかった。
第一発見者の社長は余りの惨状に卒倒。お陰で通報が遅れたそうだ。無理もない。
しかし、もっと怖いのは、その機械が前にも一人の首を飛ばしていた事。
事故後本来なら処分しなければならないのを前の所有者が欲を出してこっそり転売して
いたのだ。

警察の捜査でこれが分かり、改めて機械は溶鉱炉に放り込まれ、ようやく処分されて
めでたしめでたし…とは到底言えない話だが、持ち主をよそに真っ白になった首を乗せて
動き続ける機械を想像したらかなり怖い物が有る。

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