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ざわざわ [洒落にならない怖い話18]

私の両親が岡山のホテルにて体験した話。
町内会の旅行のツアーに参加した私の両親は、
岡山の見るからに怪しいホテルに泊まる事になった。
ホテルに入ると一瞬にして分かる異様な雰囲気。
嫌だなと思いながらも、
心霊体験を経験した事のない二人は余りそういう事は
考えずに部屋に着いた。

一通り、観光を終え部屋に戻った二人、
隣の部屋は近所のおばちゃん達の相部屋、
一向に納まらない隣のザワザワという音にも
「盛り上がっているんだな」程度しか考えず、そのまま床に就いた。

 そして、その夜に異変は起こった。
母親の夢の中、ホテルの部屋に入ってくる青白い顔をした男の人。
夢の中、恐怖におののきながら母は隣で寝ている父に必死になって
「お父さん、お父さん」と呼びかけるが声にならない。

そして、その男の人はそのままベランダに向かって、
すぅーと消えていった。そして夢はそこで終わる。
そして朝になり、母は慌てて父に自分の夢の話をした。
すると父は、驚いた事を口にした。
「俺も夢で見たよ、部屋に入ってくる男の人を・・・」
二人は同時に夢の中で同じ男の人を見ていたのだ。

 そして、帰りのバスの中、母は隣の部屋のおばちゃん連中に
「昨日は、夜遅くまで盛り上がっていたんだね」と聞いた。
すると「えっ。昨日は疲れていた事もあって、すぐに寝たよ」
「えっ。じゃあ、あのずっと人が話していた様なザワザワとした音は・・・」

 後日談として聞いた所、そこのホテルは、精神病院の跡地に建てられた物らしい。

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