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中古車 [洒落にならない怖い話12]

俺、中古車を扱う店で働いてるんだけど
やっぱ、この業界って、いわくつきの車ってのがあるんだわ。

先日、買取依頼のあった車ってのが、練炭自殺で使われた車。
生々しい話になるが、しばらく発見されなかったらしく、死体は腐乱。
なもんで、死体から出てきた汁だかなんだかで、シートにはくっきりと人の跡。
シートを張りかえて、売りに出した。

うちの店長はあとあと、客ともめるのがいやなので
いわくのある車はちゃんと客に説明するんだ。
それでも、値段が安いせいか、購入者は出てくる。
で、その車も購入者が決まり、ほっと一息。
いつまでも、店にあるってのも、薄気味悪いからね。

で、ある晩、同僚と二人で店の戸じまりをした。

「あの車、買い手が決まったみたいだぞ」
「へー、いつもながら、いわくつきの車とか買う人いるんですね」
「そうだな、俺なら、絶対ごめんだけどな」
「それもそうですね、でも、いつまでも売れ残るのも困りますけど」

なんて、笑い話にしながら、店を閉めてると、急にバーンという大きな音。
急いで振り返ると、例の車の運転席と助手席の窓ガラスが粉々に割れていた。
何が怖いかって、割れたガラスの破片のほとんどが車の外に飛び散っていたことだ。
どう見ても、車内からの何らかの圧力で割れたとしか思えない状況。

何かが見えたってわけじゃないけど、久しぶりにいやな汗をかいた

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