躁鬱 [洒落にならない怖い話9]
私の父は躁鬱を持った人でした
私が結婚すると決まって両家が初めての顔合わせの料亭での食事会の時
なにか楽しい話をしなければいけないと気張ってしまったのでしょう
私は父が50の時の子供ですので、父が大学生(今の大学という物はありません)
の頃 学生だったことと年齢ぎりぎりで赤紙は貰わずにはすみましたが
勿論食べ物には大変困る時代だったようです
その学生時代の話をし始めてだんだん興奮して躁になってしまったのでしょう
笑いながら「あまりにもお腹がすいたので罠を張り猫を捕まえてそれを食べた」
と言ったのです そんな話は聞いた事もありませんでしたし、あまりにも不謹慎なので
びっくりし、そしてあちらのご両親になんと思われるかと眩暈がしました
父ははっとしたようにしばらく黙り 手をブルブル震わせながら
「む、娘を宜しく御願いいたします 御願いいたします」と言って席を外しました
母も私も「お父さんたら変な冗談を言って・・申し訳ありません」と謝り続けました
父がなかなか戻ってきません
心配になり婚約者と共に探しに行きました
父はネクタイで首を吊っていました
本当ならば結婚など出来る状況ではありませんでしたがお腹の中に子供がいたので
式もあげず籍を入れ子供も産みましたが 子供が父そっくりの顔をした男の子で
私がどうしてもその子を愛せません
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私が結婚すると決まって両家が初めての顔合わせの料亭での食事会の時
なにか楽しい話をしなければいけないと気張ってしまったのでしょう
私は父が50の時の子供ですので、父が大学生(今の大学という物はありません)
の頃 学生だったことと年齢ぎりぎりで赤紙は貰わずにはすみましたが
勿論食べ物には大変困る時代だったようです
その学生時代の話をし始めてだんだん興奮して躁になってしまったのでしょう
笑いながら「あまりにもお腹がすいたので罠を張り猫を捕まえてそれを食べた」
と言ったのです そんな話は聞いた事もありませんでしたし、あまりにも不謹慎なので
びっくりし、そしてあちらのご両親になんと思われるかと眩暈がしました
父ははっとしたようにしばらく黙り 手をブルブル震わせながら
「む、娘を宜しく御願いいたします 御願いいたします」と言って席を外しました
母も私も「お父さんたら変な冗談を言って・・申し訳ありません」と謝り続けました
父がなかなか戻ってきません
心配になり婚約者と共に探しに行きました
父はネクタイで首を吊っていました
本当ならば結婚など出来る状況ではありませんでしたがお腹の中に子供がいたので
式もあげず籍を入れ子供も産みましたが 子供が父そっくりの顔をした男の子で
私がどうしてもその子を愛せません
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