SSブログ
洒落にならない怖い話32 ブログトップ
前の3件 | 次の3件

 [洒落にならない怖い話32]

じゃ俺の友人の話を。

ある日友人が「泊めてくれ」と言ってきた。
一人暮らしなので奴を泊めてやることは時々あったが、
この時は明らかに様子がおかしかった。妙にびくついてるし、
顔色もえらく悪い。
風呂上り、ビール片手に話を聞いてみた。

奴曰く、家にいると『目』に見られるのだという。
目って何じゃい?と聞き返す俺に、奴は説明してくれた。

とにかく『目』としか言いようがない。
それはありとあらゆる隙間から自分を見てくる。
本棚の隙間、
カーテンの合わせ目、
エアコンの吹き出し口、
開いたカバンの中、
挙句の果てには布団の奥から、など。
人の顔というよりも、暗がりの中に『目』だけがあって
まばたきもせずにただじっと、見つめてくる。

どう聞いても幻覚症状です、ありがとうございました。
…こりゃヤバい、と思った。確かにしばらく前、隣の住人が
うるせーと愚痴ってたような気はしたが…そこまで参ってたのか。
「疲れてんだ神経科行ってこいゴルァ!」と友人を励ましつつ、
その日は寝た。奴もなかなか寝付けなかったようだったけど、
最終的には良く眠れたみたいだ。



625:2/2:2006/01/17(火) 20:55:03 ID:HvdE0yZn0
その後、1週間かそこら奴は外泊を続けたらしい。流石に俺んちに
連泊するのははばかられたのか、他の友達の所とか漫喫とかで
過ごしていたようだ。しかし更にその後、奴は入院することになった。
いわゆる精神系の病院に。

見舞いに行ったが面会も出来ないような状態らしかった。
奴のオカンが泣きながら、それでも「来てくれてありがとう」と
お礼を言ってきた。
心が痛むけど奴のことも気になったので、オカンに詳しいことを聞く。

そうなったきっかけこそ判らないが、今息子はノイローゼ状態にある。
手で固く両目を覆って、何も見ようとしない。
一度指の隙間からこっちを見たとき、搾り出すような叫びをあげて
「見てる!!見てる!!暗くないのにいるよお!!」
と泣き出してしまった…

んでこういう話にありがちな陳腐なオチと言われそうだけど、その
少し後になって、奴のアパートの隣室から死体が見つかったそうだ。
聞いたところによると、心筋梗塞の発作を起こして突然死。
一人暮らしのおっさんで身よりもないし、また冬だったので発見が
遅くなったらしかった。
死の直前の苦痛は相当のものだったようで、部屋のものは激しく散乱、
押入れのふすまなんかもバタバタ倒れたりしてたらしい。
苦しんだ末か、押入れの奥、隣室側の壁に顔面からのめりこむような
変な姿勢で倒れていたということだった。

かっと、両目を見開いたままで。

スポンサーリンク




赤子火鉢 [洒落にならない怖い話32]

654 525 sage New! 2006/01/14(土) 12:17:06 ID:FXPiSy2o0
家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが 17歳の頃までだから私は話でしか知らないの
だけど結構面白い話を聞けた。

「赤子火鉢」
 喜一じいちゃんが学校から帰ると店にうす汚い火鉢が置いてあった(客が売りに置いて
行ったのかな?)マジマジ見ていると「そいつは価値のある物なんださわんじゃねーぞ」
おやじが奥から出て来た、「えっ!?コレがぁ?」と眉を潜めるとおやじは「イワク付き
なんだよ」と得意げに言うと喜一は慌てて火鉢から離れた。
 イワク付きの物はウチは確かに多いが、いったい誰がそんな物を買うのかと聞くと「世
の中変わった物を欲しがる悪趣味金持ちがいっぺぇいるんだよ、そう言った顧客は大事に
しねぇとな…」と笑っていた。

イワクと言うのはこんな話しだった。
 早くに事故で夫や家族を亡くした老婆は息子を異常に溺愛していた、そんな家へ嫁が入
り嫁姑戦争が始まった、息子も頭を抱えていたが1年もすると姑が病で倒れまた1年後に
は嫁の看病空しく亡くなってしまった。
 悲しみに暮れた息子は母を溺愛していたがため奇行走り、妻に3食毎日母のお骨を盛っ
たのだ、息子はお骨を食べた人が妊娠するとお骨の主が宿ると言う言い伝えを信じていた。
 何も知らない妻は子に恵まれ喜び元気な女の子を産んだ、息子と嫁は大事に育てたが奇
病に掛り、日に日に赤子は痩せて萎れて行った。嫁の看病空しく赤子は1年でまるで小さ
な老婆の様な姿になり、ある日突然「この女があたしを殺したんだよ」と声を上げた。
 嫁は大声で叫び人殺しと罵る我が子を火鉢へ突っ込んだ、ところが赤子は嫁の袖をしっ
かりと掴んで離さず嫁にまで火が回って来たのだ、嫁は助けてと叫んだが嫁を信じれ無か
った夫は家から走り去ってしまった。



558:コピペ隊:2006/01/16(月) 16:13:41 ID:qFtdPTF20
続き

656 525 sage New! 2006/01/14(土) 12:19:19 ID:FXPiSy2o0
 気がつけばすべてが燃えてしまった後、残ったのはこの火鉢だけだった…。
毋が大事にしていた火鉢なので形見にと思ったのですが、毎夜毎夜火鉢からあの赤子がひ
ょっこり顔を出すんです私の名を呼びながら…と男は言った。
 寺では無くウチへ持って来たのは火事の後で少しでも金が入るのだろう、足下を見てお
やじは安値で買った。
 
「でもそんな呪われた火鉢なんか売って、客が呪われちゃったらどーすんだよ」と喜一
が聞くと「俺だってプロだ何か憑いてりゃ払って売るさ、客が死んじまったら食ってけね
ぇからな!それにこの火鉢は呪われてなんかいねーよ見た所タダの火鉢だ、化けて出て来
る何て男の後悔と罪悪感がで紡いだ幻だろうよ。呪われてるとすりゃぁ…」

それから数日後、新聞に奇声を上げ火事の中へ男が飛込み死亡と言う記事が乗った…おや
じはパラパラと店の帳簿(売買いした客の名前、住所を記した物)を見るとニヤっと笑い
「店番頼む」と言うと、新聞と火鉢を片手に上等な下駄に履き替え出かけて行った。

きっと今日はごちそうだ、喜一が始めて複雑な気持ちと言う物を味わった話し。

スポンサーリンク




盛り塩 [洒落にならない怖い話32]

俺が足を怪我して入院してた時、俺より早くから入院してた奴と仲良くなった。
ある日、消灯後に喫煙所でダベってると、
「あ~部屋帰りたくね~」と言う。俺と奴は病室が違う。誰か気の合わない奴が病室にいるのかと思い、そう聞くと「いや、そんな事もないよ」と言う。
「ただジイさんがさ~」と顔をしかめるので、「確かに年寄りって気難しい人いるよな」と話を合わせると、「いや、生きてるジジイならどうでも良いんだ」と言う。
俺は話しが見えないので「ハア?」と聞くと、奴は話出した。
入院してしばらく経った頃、消灯後喫煙所から部屋に戻ろうとEVを出て病室前の廊下に出ると、暗い廊下にお爺さんが一人病室入口前でボーっとつっ立っていたと。
「ボケちゃってるのか、邪魔だな」と思い、「すいません、通りたいんですけど」と声をかけても何も反応がない。



535:本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 12:10:18 ID:BKE9GuZr0
>>534続き
奴は無視されたと思い、ムッとして「どけよっ」と多少声を荒げたんだけど、やっぱり無視。
もう強引に通るしかないなと思って肩をこじ入れようとしたら、無抵抗で通れたんだと。
「エッ」と思って振り返ると、その爺さん焦点の合わない目で奴の顔を見てる、と言うより奴の頭のもっと後ろを見てる感じだったそうだ。まったくの無表情で。
奴は「ヤバイ!」と思って急いで自分のベッドに駆け込むと布団にもぐり込んでブルブル震えてたんだと。
そして朝が来て看護師さんが検温に来た時、奴は聞いた。
「ここって・・・お爺さん、いるよね?」と。そしたらその看護師バツの悪そうな顔して、
「あ~見ちゃった?貴方、見えちゃう人なんだ・・・」と言ったと。



537:本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 12:18:31 ID:BKE9GuZr0
>>535続き
奴はそれからもその病室に入院し続け、俺と仲良くなったんだけど、奴が言うには、
「段々中に入ってるんだよ。昨日夜中に小便したくなって起きたら俺のベッドの脇に立ってるんだよ。今日はどうなってるか考えると病室戻りたくないんだよ。」
俺は笑うしかなかったな。
取り合えず盛り塩して寝ろとしか言えなかった。
でも、その事が結局奴を救った事になったのかもしれない。次ぎの日に話聞いたら結構ヤバかった。



539:本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 12:40:14 ID:BKE9GuZr0
>>537続き
俺が話を聞いた夜、奴と奴の病室前まで行った。
「いる?」俺が聞くと、「いや、もう廊下にはいないよ。いるとしたら窓際だな」と言う。入口から覗き込むと6人部屋で、一番奥の窓際の右手が奴のベッド。「どう?」もう一度聞いたが奴は「今日は出ない日かも」と言う。
俺は「何だよ、ツクリかよ。」と笑いながら言うと、奴は固い表情のまま、「塩を小皿にいれとけば良いの?」と聞いてきた。
「お前、塩なんて持ってるの?」「この間彼女に持ってきてもらった」
「じゃあ皿に入れておけば良いんじゃねエ」とか会話して、俺は自分の病室に帰った。
俺は何事もなく寝た。



541:本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 12:50:53 ID:BKE9GuZr0
>>539続き
次ぎの日の朝、喫煙所で煙草吸ってると、奴が蒼い顔してやって来た。
「ヤバかったよ・・・」俺が挨拶する前に奴は話だした。
奴の話によると、枕もとに塩入れた小皿置いて寝たんだと。中々寝つけなかったけど、気が付いたら夢を見てたと。その夢を要約すると、
気が付くと古い藁葺き屋根の大きい民家の玄関前にいた。
玄関を入ると大きな土間だった。上がり框の向こうは畳み敷きの部屋があり、その向こうに障子が閉まっていた。
その障子を開けて進むと、4方が障子で区切られた部屋だった。また奥へ進むと同じ様に4方が障子の部屋。その奥へ入ったら突き当たりに大きな仏壇のある部屋だった。右手が障子。左手も障子。
左手はとても嫌な感じがしたので、自分は右手に行きたかったと。どうしても右手に行きたいんだけど、体が引っ張られる様に左へ行ってしまう。



542:本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 12:59:20 ID:BKE9GuZr0
>>541続き
「嫌だ、右に行くんだ、行くんだ」と叫んでも、強い力で左へ行かされる。
とうとう左手の障子を開けてしまうと、とても明るい場所だった。何故か、あんなに嫌がっていたのが嘘の様にホッとして部屋を出る時、
耳もとで
「チッ!しくじったかっ!」
と野太い声が吐き捨てる様に呟くのが聞こえ、ハッとして目が覚めたら朝だったと。
起き上がって塩を入れた小皿を見ると、塩がぐちゃぐちゃのゲル状みたいに溶けていたと。
「あのまま右に行ってたら、俺どうなってたんだろう・・・」
奴の質問に答えられる言葉は俺にはなかったな・・・




544:本当にあった怖い名無し:2006/01/16(月) 13:38:34 ID:2ryX6RHg0
>>542
おつかれ。おもろかったよ。

スポンサーリンク




前の3件 | 次の3件 洒落にならない怖い話32 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。