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人が死ぬ数分間 [洒落にならない怖い話31]

人が死ぬ瞬間を見たことがありますか?
わたしは、見ました、人から魂が抜けていく数分間を。

交通事故の現場での話です。
数年前、朝、バイクで都心に向かうときのことです。
東京の山手通と川越街道の交わる交差点から東へ約百メートルの
ドンキホーテを少し過ぎたあたり、
日本ケミカル建設という会社の前です。
通勤のクルマやバイクが朝の光を浴びながら都心に向かっていきます。
そこに一台のバイクとひとりの青年が倒れていました。
交通事故だと思い、その倒れている青年を通り過ぎてから、
路肩にバイクを停めました。



864:人が死ぬ数分間2:2006/03/18(土) 22:18:59 ID:3chT2yWL0
倒れている青年を歩道の方に移動させなければ...と思い、
そちらを見たところ、
急に起きあがり、酔っぱらいがゲロを吐くように、
胃の中のモノをドバーッと吐き出しました。
これでは、移動させることが出来ない。
そう思ったわたしは、119番に携帯電話で通報しました。
地番表示のプレートが無く探すのに手間取りました。
今思うと、豊島区池袋本町何丁目何番何号と
詳しく伝えることもなかったかと思います。



865:人が死ぬ数分間3:2006/03/18(土) 22:19:40 ID:3chT2yWL0
で、その青年を見るとアスファルトにひざまずき、
げえげえと胃の内容物を吐き出しています。
加害者は誰かと見回すと、
F山通運のドライバーがどこかに携帯で連絡をしています。
彼と絡んだ交通事故なのかも知れません。

青年は、地べたに突っ伏し、鼻と口からぶくぶくと泡の混じった
血を吹き出していました。
これはSFXじゃない! こんなに血が出たら、彼の体から血が無くなってしまう!
そう思いました。
警察にも電話をしなければ!

彼は完全に動きを停めていましたが、
彼の心臓は、彼の血液を、彼の体の外に送り続けていました。

F山通運のドライバーが
自分の人生が終わってしまったとでもいうような表情で、
アスファルトの地面に横たわる青年を見つめていました。
地面に横たわる青年の心臓も動きを止めてしまったのか、
もう口と鼻から血液が出ることはありませんでした。
半開きの眼の彼の顔の前には、
大根下ろしを三角に盛り上げたような山が出来ていました。

このバイクの青年と貨物トラックのドライバーは、
10分前には、こんな場面は想像もしていなかったでしょう。
わたしは、
人の命ってこんなに簡単に消えてしまうもんなんだなと、
寂しい気持ちになりました。



867:人が死ぬ数分間4:2006/03/18(土) 22:25:27 ID:3chT2yWL0
その翌日、現場には花束やら缶ビールやらたばこが供えられていました。
道路の舗装があり、彼が大量に吐血し吐いた彼の血が、
道路に封じ込められました。
毎朝、花束を見るたび、彼の死んで行く数分間を思い出し、
苦しみました。

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卒業アルバム [洒落にならない怖い話31]

すべて匿名ですが、物語風に編集した事実です。
「これ、まずいよ。」そう言ったのは、卒業アルバム担当の川島先生だった。
彼が机に置いた写真、それは3年C組の、アルバム用の集合写真。他の先生が集まってくる。
「やだ!何これ。」C組担当の荻田先生が、驚いて口元に手をやる。

写真は、校庭で撮ったもの。真ん中に先生、それを取り囲むように生徒達、一見変わった様子は無いが、
その背景、右上に、はっきりと男の顔が浮かんでいた。筋金入りの心霊写真である。
「どうしますか?先生」川島が荻田に聞いた。
普通なら、撮り直すのが当然かも知れなかったが、すでに三学期後半。付属高校という事もあり、
生徒はほとんど登校して来ない。次の登校日まで待っていたら、
アルバムの制作の方が間に合わなくなる可能性がある。

とはいえ、こんなにはっきり写っている写真をアルバムに載せたら、
生徒達も何を言うか分からない。
この時代、今のようなデジタル処理などほとんど無く、不自然さが無い修正は厳しかった。
悩んでいる所に、過去何度かアルバム制作に携わった八代先生が助言を出した。
「当日休んだ生徒がいるでしょ。その生徒の囲みを、そこに入れたらどうですか?」
結局この意見が採用された。

「しかし、この顔、2年前に自殺した、加藤君に似てるね。」八代は、
写真を見ながら、ぼそっとつぶやいた。
加藤君とは、2年前の夏休みに田舎で首を吊って自殺した生徒であった。
原因は不明。一説には、いじめがあったと言われているが、
はっきりした裏は取れていない。その時の担任も、荻田であった。
「え、嫌ですよ先生、そんな、違いますよきっと。」荻田はそう言って、
ハンカチで汗をぬぐった。

こうして心霊写真は隠蔽され、無事アルバムは完成した。
それから5年後。C組の同窓会が開かれた。
しかし43人全員出席とはならなかった。卒業して一年目に、
二人の生徒が事故に遭って死亡していたのである。その二人は、
アルバムで、囲みとして写真を隠す役を務めた二人だった。

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朗読 [洒落にならない怖い話31]

実際にあったお話です。

怖い話が好きで、自宅の近所であった自殺の話を
少し脚色して、ネットで公開したそうです。
その夜、投稿に対するレスを確認していると
突然、電話が鳴りました。
自分が投稿した文章を電話の向うで朗読しているそうです。
か細い、女の人の声で。
これは自分の文章だとスグにわかり、きっと個人情報を
得た人間の悪質なイタズラに違いないと思いました。
ところが、脚色部分から、次第に朗読する女の声質が変わり
かすれた声になり、男の声に変わってゆきました。
しかも、脚色した内容とはかけ離れた、実際にあった
自殺の内容になっていったのです。
投稿した内容は、自殺者が女性、首吊り、文語体。
変わって行った内容は、自殺者が男性、首吊り、口語体。
実際にあった自殺は、男性、首吊り。
怖くなって電話を切り、無意識に手を合わせて「南無阿弥陀仏」を
繰り返したそうです。
自分の家には仏壇も無く、そんな習慣も無いのに。
今でも、女性から男性へと変容してゆく時の声が耳について
離れないそうです。




760:本当にあった怖い名無し:2006/03/17(金) 02:55:33 ID:fL7Cbbbz0
>>759
結構怖いな

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