母の爪 [洒落にならない怖い話33]
僕が幼稚園児だった頃のおぼろげな記憶
うちの母の爪が無くなっている
指先が真っ赤に染まり床のは数滴の血が
母は泣きながら指先から滴る血をフキンで拭いている
そのフキンもまた母の指から滲んだ血で赤く染まっていく
こんな記憶何処から来たのか分からなかった
恐らくその頃 夢で見た光景
幼児の頃に有りがちな得体の知れない驚愕夢が
恐怖とともにが未だ頭に焼き付いているのだろう
そんな風に思っていた
最近 父から母は一時期育児ノイローゼに罹っていた事を聞いた
僕が幼児期であった頃らしい
もしかするとその光景は実際に見たものだったのかも知れない
母親が爪の剥がれた指から血を流し 怯え切った顔で自分を見つめる光景
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うちの母の爪が無くなっている
指先が真っ赤に染まり床のは数滴の血が
母は泣きながら指先から滴る血をフキンで拭いている
そのフキンもまた母の指から滲んだ血で赤く染まっていく
こんな記憶何処から来たのか分からなかった
恐らくその頃 夢で見た光景
幼児の頃に有りがちな得体の知れない驚愕夢が
恐怖とともにが未だ頭に焼き付いているのだろう
そんな風に思っていた
最近 父から母は一時期育児ノイローゼに罹っていた事を聞いた
僕が幼児期であった頃らしい
もしかするとその光景は実際に見たものだったのかも知れない
母親が爪の剥がれた指から血を流し 怯え切った顔で自分を見つめる光景
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