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助けて [洒落にならない怖い話26]

うちの親父が酔うと必ず話すエピソードがあるんだけど
あまり怖くないかも。

親父が社会人になった直後なので今から三十数年前のこと、
横須賀から都内まで通ってたので、結構な時間がかかり、
ちょっと飲んで地元に着く頃には一時前だったりするのな。
で、その日も金曜で終電まで飲んで来て、駅に着いたのが
そんな時間。

酩酊状態で階段を昇ってたんだわ。家は階段を約300段程
昇った山のてっぺん、弱い街灯を頼りに石の階段がずっと
続いてるあまり気味のよくないところで、俺も夜はあまり
出歩きたくないようなところだよ。車なんか行けないので
すごい不便でさあ。

で、酔いながらゆーっくり昇って行き、ちょうど半分位の
H岡さんの門を過ぎ、民家が切れて竹やぶと草むらだけに
なったとこでさ、上から人が降りて来るんだって。
薮を過ぎると二股に分れ、左がうち、右がTさんの家なので
Tさんの家に長居した客がこんな時間に帰るのかくらいの
つもりでふっと見上げたら何か変なんだって。

足の動きに対して、歩く速度が不自然な速さ

分り易く言うと階段をスケートで滑るような感じかな。
段々見えて来たら、白い浴衣なので若い女性だなあって
わかったんだって。でもね一月なんだ。その晩だって仕事
関係の新年会だったからさ。



409:本当にあった怖い名無し:2006/07/10(月) 18:26:16 ID:XGMk25Wg0
この時になって、酔いながらもようやく寒々しいものを
感じて来たらしく、こっちは昇り、あっちは下りなので
いやだなあすれ違うの、なんて思いながら一本道だから
怖々昇って行ったんだ。で、いよいよすれ違うその瞬間、

「ねえ…助けて…」

女が両手でものすごい力で右腕を掴んだ。ゾワっとしながら
声にならない悲鳴をあげつつ女を見たら、長い毛髪で鼻から
上まで全部隠れ真っ赤な唇だけをよく覚えてるって。
しかも浴衣だと思ったのはそうではなく、手術の時着るような
あれだったらしい。二駅はいかないと病院はないんだけどね。

で、ほんとに怖い時は声が出なかったって笑ってたけど、
その時は腰抜かしながら階段の百数十段を逃げ昇り、
気づいたら小便漏らしてたって言ってたw。

この世のものかはたまた異界の何かわからないけど、
何度も聞かされる話。以上、失敬★




413:本当にあった怖い名無し:2006/07/10(月) 19:02:52 ID:Pezv3RrG0
>>409
GJ!!!!!!!!!!!!!!!
よかったよ!!!!
情景が頭に浮かんで怖かった!

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