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烏 [洒落にならない怖い話26]

クラスメートのAと一緒に下校した時、
一匹の烏が目に入った
電線とか塀の上とか、割と低いところを留まったり飛んだりしながら
気が付いたらずっと付いてくる
恐ろしげな鳴き声と恨みがましい目をして。
Aに「あの烏、キモチワルイね」と言うと
「だろ?あれ、ずっと俺に付いて来るんだ」という。
聞くと、朝、外に出るとすぐに飛んできて、周りに人がいない時は
攻撃さえしてくる、追い払ってもすぐに戻って来て回りで飛び回る。
そんな事が一ヶ月も続いてて「いい加減、気が変になる」とAは言う。

一ヶ月前といえば、同じくクラスメートのBが事故死した頃。
崖下で遺体で発見された。足を滑らせて転落死したらしい。
発見したのが偶然俺の知り合いのおじさんで
「打ち所が悪かったらしく、頭がぱっくり割れててね・・・・」って話を聞いた覚えがある。
「遺族には言ってないんだけど、脳みそがはみ出しててそれを烏が食ってたんだ」

人の脳を食った烏はその人の記憶も食うとでも言うのだろうか。
烏はBの、どんな記憶を食ったのだろうか。
記憶を食ったとしたら、何故Aに付きまとうのだろうか。
あれは、事故死、だった・・・はずなのに・・・。

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