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本当の恐怖 [洒落にならない怖い話5]

夜な夜な家族が皆寝静まった頃に、足音が聞え始める
父のうなされる声も日に日に大きくなっていった
何かにとりつかれたように、「うわあぁあっああ!!」と突然大声を上げることもある
だが家族の誰もそんなことを気に止めはしない
皆疲弊しきっていたからだ

今日も夜になり、父はうなされていた
オレがレポートを中断し少し遅い就寝に付こうとしたところで
隣の部屋のドアが開きいつものように足音が聞え始める
足音は階段を下りていき止まった
台所あたりだろう
オレは意を決して下に降りることにした


436: 陸上選手(チベット自治区):2010/11/20(土) 13:39:02.86 ID:nfdKkJnY0
「お前いつまでこの生活続ける気だよっ・・・」
「・・・・・・・」
「・・・きいてるか?」
「・・・」
「お前さ、」と言ったところで
「うわtgbyhんjっ!!」という声とともに体当たりをされてオレは転んだ
上にのしかかられて殴りつけてくるやつを蹴り飛ばして応戦する
こんどはオレがやつを投げ飛ばし冷蔵庫に押しつけボコボコにする
寝ていた母が飛び起きてきた
母は何ごとかわめいていたがよくわからない
泣いていたようだった

そいつは声音も取れない唸り声を上げるとオレをふりほどき
転げるように流しの収納に向かうと包丁を取り出した
その後のことはよく覚えていない
ただただ、逃げた
何カ所か切られたようだが刺されてはいなかった

そして今日も夜な夜な足音が聞える
オレは卒業後の地方への就職を決意した

ほんとうに恐い話ってのはこういうことを言うんだよ

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